既存住宅状況調査(インスペクション)の内容
中古住宅の売買を目的とした既存住宅状況調査(インスペクション)を行なう内容と事象をご紹介します。
1.基礎(構造)
仕上げの種類を確認します。幅0.5mm以上のひび割れや深さ20mm以上の欠損がないかを目視で確認します。また、コンクリートの著しい劣化がないかも確認します。その他、さび汁をともなうひび割れ又は欠損はないか、白華事象はないか、鉄筋が露出してしまっているところはないか等について目視で確認します。
2.土台・床組(構造)
土台や床組に著しいひび割れ、劣化又は欠損はないか目視で確認します。
3.床(構造)
床の仕上材について著しいひび割れ、劣化又は欠損はないかについて目視で確認します。また、著しい床の沈みは目視で確認し、必要に応じて計測します。床の傾斜については、6/1,000以上の傾斜がないかについて計測して確認します。
4.外壁及び軒裏(構造)
乾式仕上げの場合、タイル仕上げの場合、塗壁仕上げ等の場合などの仕上げによって、仕上げ材にひび割れや欠損、著しい浮きがないかなど調べます。
5.柱及び梁(構造)
柱に著しいひび割れ、劣化又は欠損がないか、柱における6/1,000以上の傾斜がないか、梁の著しいひび割れ、劣化又は欠損、たわみがないかなどを調べます。
6.バルコニー(及び共用廊下)(構造)
支持部材又は床の著しいぐらつき、ひび割れ又は劣化がないかなど調べます。
7.内壁(構造)
内壁下地材まで到達するひび割れ、欠損、浮き、はらみ又は剥落がないか、壁における6/1,000以上の傾斜がないかを調べます。
8.天井(構造)
天井下地材まで到達するひび割れ、欠損、浮き、はらみ又は剥落がないかを調べます。
9.小屋組み(下屋部分を含む)
天井・小屋組などのひび割れ、欠損、浮き、はらみなどを目視可能な範囲で診断します。
10.蟻害・腐朽等(構造)
著しい蟻害、著しい腐朽・腐食等がないかを確認します。
11.鉄筋探査(構造)
※一般の住宅においては、基礎に係る劣化事象があった場合に限り、オプションとして調査します。
基礎の底盤や立ち上がりについて、鉄筋があるかないか、補強筋の間隔が@300mm以内、または設計図書通りになっているかどうかの確認をします。
12.コンクリート圧縮強度(構造)
※小規模住宅(地階を含む階数が3以下で延べ面積が500㎡未満)以外の大規模住宅で鉄骨造、RC造の場合のみオプションで調査します。
・構造体コンクリートのリバウンドハンマーによる圧縮強度調査(JIS A 1155)
・構造体コンクリートのコア採取による圧縮強度調査(JIS A 1107)
13.外壁(雨水)
外壁のシーリング材(コーキング材)の破断又は欠損がないか確認します。また、開口部においては、建具の周囲の隙間又は建具の著しい開閉不良がないかを確認します。
14.軒裏(雨水)
軒裏天井等のシーリング材(コーキング材)の破断又は欠損はないか確認します。また、軒裏天井の雨漏りの跡がないかを確認します。
15.バルコニー(及び共用廊下)(雨水)
防水層の著しいひび割れ、劣化もしくは欠損又は水切り金物等の不具合がないか確認します。
16.内壁(雨水)
内壁の雨漏りの跡がないかを確認します。
17.天井(雨水)
天井の雨漏りの跡がないかを確認します。
18.小屋組み(雨水)
19.屋根(雨水)
屋根の腐朽やひび割れ(クラック)剥がれなどを目視可能な範囲で診断します。
20.耐震性に関する書類の確認
昭和56年6月以降の新耐震基準に適合しているかについて書類で確認します。
21.調査時の状況
既に実施されている修繕等の履歴があるか、調査実施時にリフォーム等の工事を行っているかなど状況を記録しておきます。
22.その他(オプション)
樋の破損などを目視で診断します。