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長期優良住宅とは
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するために、大きく分けて以下のような措置が講じられている住宅を指します。
- 長期に使用するための構造及び設備を有していること
- 居住環境等への配慮を行っていること
- 一定面積以上の住戸面積を有していること
- 維持保全の期間、方法を定めていること
上記のうち1.は建築物に関する技術的な基準で構成されており、その多くは住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示制度の基準(以下「評価方法基準」といいます。)を準用しています。
また、上記1.~4.の全ての措置を講じ、所管行政庁(都道府県、市または区)に認定申請を行えば、長期優良住宅としての認定を受けることが可能となっています。
長期優良住宅(新築)のメリットまとめ
地域型住宅グリーン化事業
地域工務店等が整備する木造の長期優良住宅について、補助金を受け取ることができます。
補助対象経費の1割以内の額で、かつ住宅1戸あたり110万円(最大)など
住宅ローンの金利引き下げ
長期優良住宅を取得する場合、住宅ローン金利の引き下げ等を受けることができます。
フラット35S
<金利Aプラン>フラット35の借入金利を当初10年間、年0.25%引き下げ
フラット50
返済期間の上限が50年間に。住宅売却の際に、購入者へ住宅ローンを引き継ぐことが可能です。
住宅ローン減税
所得税(住宅ローン減税):限度額の引き上げ
控除対象限度額4,000万円 ⇒ 5,000万円
(控除率1.0%、控除期間10年間、最大控除額500万円)
登録免許税の優遇
長期優良住宅の登録免許税の優遇 | |||
---|---|---|---|
登記種別 | 本則 | 一般住宅(※1) | 長期優良住宅 |
所有権保存登記 | 0.4% | 0.15% | 0.1% |
所有権移転登記 | 2.0% | 0.3% | 戸建0.2% マンション0.1% |
固定資産税の減額
長期優良住宅の固定資産税の減額措置の適用期間 | |||
---|---|---|---|
減額措置 | 一般住宅 | 長期優良住宅 | |
戸建て | 税額1/2 | 3年間 | 5年間 |
マンション | 税額1/2 | 5年間 | 7年間 |
不動産取得税
課税標準からの控除額の増額
控除額1,200万円 ⇒ 1,300万円
地震保険料の値引き
長期優良住宅では、認定基準に定められる耐震性が求められます。
所定の確認書類を提出することで、住宅の耐震性に応じた保険料の割引を受けることができます。
耐震等級2 ⇒ 30%引き
耐震等級3 ⇒ 50%引き
長期優良住宅7つの認定基準
長期優良住宅の9 つの認定基準のうち木造一戸建て住宅に求められる7 項目の概略です。
1.劣化対策
「数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること」
通常想定される維持管理条件下で、構造躯体( 建物の骨組み)の使用継続期間が少なくとも100 年程度となる措置が必要です。点検やメンテナンスのために、次の2 点が求められています。
・床下と小屋裏(屋根と天井の間の空間)の点検口を設置
・点検等のため床下空間に一定以上の高さを確保(木造の場合には330mm 以上)
2.維持管理・更新の容易性
「構造躯体に比べて耐用年数が短い内容・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること」
建物を長期に使用すると、途中で取り替えなければならない部分が出てきます。それを骨組みに影響を
与えずに行なわなくてはなりません。水道やガス管、下水管などの取替えを、骨組みに影響を与えず行
えるようにすることが求められています。
3.耐震性
「極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修を容易にするため、損傷レベルの低減を図ること」
建築基準法の基準の1.25 倍の地震に耐えることが求められます。
4.省エネルギー性
「必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること」
省エネ法に規定する断熱等性能等級4に適合することが求められます。屋根、床、壁、天井、開口部の断熱性能を高くすることが求められます。次の5つの基準すべてを満たす必要があります。
ⅰ.開口部比率に関する基準
ⅱ.断熱構造とする部分の基準
ⅲ.躯体の断熱性能等に関する基準
ⅳ.開口部の断熱性能・日射取得性能に関する基準
ⅴ.結露の発生を防止する対策に関する基準
5.居住環境
「良好な景観の形成その他の地域における住居環境の維持及び向上に配慮されたものであること」
地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、
これらの内容と調和が図れることが求められており、 所管行政庁により、詳細な基準があります。
都市計画道路などの予定地では認定が得られないなどの制限があります。
6.住戸面積
「良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること」
住みやすさの点から、住宅に一定の広さが要求されます。木造一戸建ての場合、少なくとも一の階の
床面積が40m2 以上(階段部分を除く面積)、床面積の合計が75m2 以上(2 人世帯の一般型誘導居住面積水準)であることが必要です。ただし、55m2(1 人世帯の誘導居住面積水準)を下限として、
所管行政庁により、引上げ・引下げられることがあります。
7.維持保全計画
「建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること」
(1) 構造耐力上主要な部分 (2) 雨水の侵入を防止する部分 (3) 給水・排水の設備について、点検の時期・内容を定め、「維持保全計画」( 認定に必要) に記載しなければなりません少なくとも10 年ごとに点検を実施することが求められ、最低30 年間の実施が義務付けられています。