木造住宅の新築工事の流れ
木造住宅の新築工事の一般的な流れを簡単にご紹介します。
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地盤調査
これから建てる建物の荷重を支える地盤の状態を調査します。主にスウェーデン式サウンディングと呼ばれる調査方法で敷地内の5カ所程度の地盤の状態を確認します。十分な強度がある場合には、そのまま工事を進められますが、地盤が弱い場合には地盤改良工事(50~100万円程度)が必要になります。地盤補強には、柱状改良や浅層改良という方法があり、地盤の状態によってご提案します。
地盤改良工事(地盤補強)
地盤調査の結果、地盤が弱い(建物荷重を支えきれない)場合には地盤改良工事が必要になります。
地縄張り・遣り方
敷地に対して建物が計画通りの正確な位置に建つように水平レベルと平面上の位置を出します。
根伐り・地業
遣り方が完了すると、基礎をつくるために地盤を掘削してから砕石を敷いて締め固め、建物に必要な耐力を出す作業を行います。前者の作業を根伐り、後者の作業を地業といいます。
基礎工事
捨てコンクリートの上に墨出しをして位置を決めたら、配筋をします。このときの鉄筋の太さや間隔、コンクリートのかぶりが十分に取れているかの確認をします。
構造材の墨付け・刻み
工事をスムーズに進めるためには、基礎工事が終わったら、上屋の建て方が始まります。その事前準備として、プランが出来上がり、基礎工事に入る前には、構造材の準備をしなければなりません。現在ではプレカットで行うことがほとんどですが、弊社では、必要に応じて昔ながらの墨付け、手刻みも行っております。
建て方
プレカット工場で仕口加工された構造材を土台から敷いていきます。2階建て以上の高さになる場合には、先に足場を組んでから行います。木造は、接合部によって軸が組まれますので、柱が垂直に立つように建物の歪みがないか確認をしてから、仮筋交いで固定します。
上棟式
構造材の棟が上がったら、お施主様のご希望で上棟式を行います。最近は、安全性を考えて、屋根のルーフィング作業が終わって雨が凌げるようになってから行うほうが多くなっています。
屋根工事
内装工事に入る前に外装工事を先に進めます。雨が降っても建物内に水が入らないようにするためです。屋根の防水は、野地板の上にアスファルトルーフィングを重ね張りして、その上に屋根の仕上材を葺いていきます。
外壁防水シート
外壁の防水は、透湿防水シートを下から重ね張りします。外からの雨を内部に入れないようにすると同時に内部の湿気は、外へ逃がすようにします。そのため、透湿防水シートの外側には通気層を設け、湿気を外へ逃がすルートを確保するのが一般的です。その通気層の外側にモルタルやサイディング等で仕上げていきます。
断熱工事
雨が建物内に入らないようになったら、断熱工事をします。グラスウールや発泡ウレタンなどの断熱材は、水分を含むと断熱性能が著しく低下してしまうからです。また、室内の湿気が壁体内にはいらないように、室内側に防湿シートを張ることが一般的です。袋詰のグラスウールの場合は、先に断熱材がビニールで包まれているので、その作業を省略することもあります。
内装壁工事
断熱工事が完了したら、石膏ボードを隙間なく張っていきます。万が一建物内で火が起きても構造体である木を守るという役割もあり、その厚みによって耐火時間が変わってきます。12.5mmの厚さの石膏ボードが一般的ですが、15mmや21mmの厚さの石膏ボードを使うこともありますし、更にはそれを2重貼りにすることもあります。その上に、漆喰や珪藻土、塗装、クロスなどで仕上げます。
内装床工事
床の仕上げは、フローリングやタイル、塩ビシートなどさまざまです。フローリングには傷や汚れのつきにくい合板にオレフィンシートでプリントしてあるものや、無垢材を3層重ねた3層フローリング(そうすることによって、そりなどのくるいが起きにくい)や、あえてパインや杉などの柔らかい樹種を選ぶこともあります。場所や生活スタイルによって選択できます。
造作工事
内装工事を進めると同時に造作工事を進めます。棚や造り付けの家具、階段や手すりなど生活に必要な造作をカタチにしていきます。
外構工事
外装工事が終わって、外部足場を解体したら、外構工事を行います。境界ブロック、フェンス、門、駐車場、駐輪場、植栽などがそれにあたります。隣地との間の隙間が狭い敷地では、一部基礎工事の前に行うこともあります。それは、後からでは工事ができなくなってしまうからです。
竣工6年後
引き渡し後は、お施主様によって家を育てていってください。家は建ったら終わりではなく、それは新しい暮らしのスタートだからです。