築5年目点検の結果わかったこと
丸喜齋藤組で5年前に施工させていただきました住宅の5年目点検をしました。
1年目点検や2年目点検の時に現れる現象と5年目10年目に起こる現象とは違ってきますので、その結果をご紹介します。
外壁のサイディングです。窓の左下角から目地に向けてひび割れがあるとことがありました。
その間に釘を打ってしまっていることが、原因のひとつになったと思われます。
仮にこのひび割れから雨水が侵入したとしても、内側に通気層(空胴)があり、その内側に透湿防水シートがありますので、室内側に雨漏りはしません。
木造は、地震や風によって多少動きますので、このようなひび割れは、起こることを想定しておくことが大事だと思います。
基礎の立ち上がり部にも数か所のひび割れが確認されました。
ひび割れは、その幅と深さがどれくらいかが重要です。
ひび割れの幅は0.5mm以上。深さは20mm以上ある場合には、何らかの補修をしておいた方が良いと思います。
しかし、今回のひび割れはいずれも0.25mm以下の幅であるのと、今回のひび割れは、基礎コンクリートの表面に薄く塗られたモルタルのひび割れであるため、著しい構造の劣化とはなりませんでした。
建物内部の劣化も確認します。床や柱の傾きを計測することによって、基礎や建物全体の不同沈下など起きていないかを確認します。
今回の床は、1/1000の傾きが確認されました。6/1000以上の傾きがある場合には、劣化の可能性がありますが、今回は許容範囲であると言えます。
報告書には、それらの不具合がどの場所にどのような現象として現れたかを記載して記録として保管します。
以上のように、築5年目の住宅は、少し不具合があったものの、著しい劣化は見られませんでした。
次は、5年後の10年目点検です。
住宅は、建てて終わりではなくメンテナンスしながら住まうものですので、このような定期点検で不具合の早期発見が大切だと思います。