山留めに必要な水平切梁工法とは
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水平切梁工法とは
親杭横矢板工法や鋼矢板(シートパイル)工法などで、その面積が大きく山留め壁に作用する側圧が大きい場合に、それを切梁、火打ち、腹起しなどを組み合わせて支持する仮設の支保工のことを言います。
切梁(きりばり)とは
そもそも切梁(きりばり)とは何かということで、まずは部材の説明から。
例えば、山留め壁がシートパイルの場合、それが側圧によって自立できない場合には、腹起し(はらおこし)によって補強しますが、その腹起しを支えるために角々に斜めに支持する部材を火打ち(ひうち)といいます。そして、山留め壁と対面の山留め壁とを支持する部材を切梁といいます。
土圧が大きいほど、これらの部材を増やす必要がありますが、増やせば費用も大きくなりますし、掘削作業のための重機の大きさも限られてしまうため、初めの仮設計画が重要です。
切梁には、油圧ジャッキをかけて、切梁を加圧します。(ブルーシートで養生している部分)
更に土圧計を設置し、圧力の経過を管理します。
一段目の切梁を架けたら、2次掘削を行い、ある程度の深さになったら、二段目の切梁を架けます。
上から見るとこんな感じです。
更に掘削を進めて、床付けをします。
これで、雨が降ったらプール状態になってしまいます。そこで予め部分的に水を集められる部分をつくっておきます。その部分的に低いところを釜場といいます。そこに揚水ポンプを入れておいて、いつでも水を汲み上げられるようにしておきます。
床付けができたら、捨てコン打設から行います。
捨てコン打設が終わると一安心です。その間でもボイリングや盤ぶくれが起きないようにディープウェル工法によって、周囲の水位は下げておきます。
いかがでしたでしょうか?
よく見ると山留め壁のシートパイルの間から水がしみ出ているのが見えます。山留め際は、このように地中水がしみ出てくることがありますので、釜場をつくっておいて、ポンプで汲み上げられるようにしておきましょう。
また、建築していくときには、切梁を架けた手順とは逆に解体していきます。これらの手順を間違えると非常に危険なので、事前にしっかり計画してから行いましょう。
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