親杭横矢板工法という山留め工事
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山留め工事(つづき)
前回、建築工事の仮設工事の中に『山留め工事』という工事があるというお話をさせていただきました。建築する建物に地下室がある場合や敷地に高低差がある場合に作業スペースや安全性を確保するために土留めや地下水の浸入を抑えたりすることを目的として行います。
前回は、山留め工事の中でも止水性にすぐれ、しかも比較的しっかり土留めできる鋼矢板(シートパイル)工法についてご紹介させていただきました。
親杭横矢板工法
今回は、親杭横矢板工法です。名前がややこしいですよね。親杭と横矢板を分けてイメージしてください。
親杭とは、横矢板を抑えるために先に地盤に打ち込まれる杭のことです。H鋼を親杭とした場合には、「H鋼横矢板工法」と言ったりもします。
矢板とは、親杭と親杭の間を渡して実際に土を押さえる板のことです。
親杭横矢板工法の場合、先に親杭を打ち込みますが、掘削しながら矢板を入れていくので、現場によって向き不向きがあります。
高低差のある敷地で高い方の土を押さえるのに有効です。地盤が柔らかいところには不向きです。
先行して打った親杭の間に一枚づつ矢板を入れていきます。
矢板と地盤の間の隙間に土を裏込めしてきます。
親杭の地上にでる部分が長くなる(高低差が大きい)場合には、シートパイルのときと同じように腹起しを当て、火打や切梁で押さえます。
そこにも矢板を入れていきます。
そして、全体はこのようになりました。
この敷地は、比較的地盤が固かったので、このように土留めできましたが、地盤や環境条件によってできない場合もあるのでご注意ください。
山留め工事の親杭の打ち方
山留め工事の肝となる親杭の打ち方。なるべく地盤に振動が伝わらないように低振動な工法が用いられることが一般的です。
その動画がこちら。
山留め工事の矢板の入れ方
親杭を打設した後の矢板は、掘削作業をしながら行います。従いまして、掘削作業を山留め工事を別々に分けて行うことは難しいのです。
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