天井に穴を開ける天井点検口設置工事

「天井に点検口をつけたいんです」というお問い合わせを多くいただいてます。そのご相談のやりとりから、天井点検口を設置する工事に関するポイントをご紹介します。

天井点検口をつけたい理由TOP3

「天井点検口を設置したい」とご相談いただいても、その理由によっては天井点検口をつけずに解決することもあります

ご相談の理由で多いのは次の3つです。

1.雨漏り箇所を確認したい

「天井に雨染みができて困っています」「どこから雨漏りしているのか確認したい」などです。

2.アンテナをつけたい

多いのは、建売住宅や中古住宅を購入されて、アンテナがついていないので後で設置しようと思って、業者に相談したら「天井点検口が無いとできません」と言われましたというご相談です。

3.天井裏に配線、配管をしたい

アンテナ工事の時と同じですが、新たにインターネットケーブルや信号線などを、室内に見えないように天井裏に配線しようと思ったら、その部屋に天井点検口がなくて工事ができないというものです。

本当に点検口が必要か考える

ご相談の中で、天井点検口をつけないでも解決することがあります。また、天井点検口をつけたけど解決しないこともあります。ですので、まず「なぜ、点検口をつけたいのですか?」を確認させていただいています。

例えば、雨漏りしているので天井点検口をつけて確認したいという理由で、天井に穴をあけてみたけど、そこから見ても何も見えず確認できない場合も多々あります。それでも天井点検口を設置した工事費はご請求させていただくことになってしまいます。ですので、設置したときに目的を果たせるかどうかという判断が必要です。

また、実は知らないところに天井裏を覗ける場所があって、天井点検口を工事しないで目的を解決する場合があります。

天井点検口をつける時の注意点

点検口の無いところに新たに点検口をつける場合には、いくつかの注意点があります。なぜなら、点検口をつける時に、せっかく今ある建築性能を失う恐れがあるからです。

1.開けられる場所の選定

そもそも構造躯体と密接している箇所であると構造体を切ることもできないですし、せっかく開けたとしても点検口としての役目を果たさないことになってしまします。ですので、まずはどこに開けるべきかを専門家と相談して決めます。

2.開けた後の補強

点検口が無いところに45cm×45cmくらいの開口を開けると、その天井を支えている下地(野縁)を切断してしまう可能性があります。切断してしまうと天井を支える強度が落ちるので、開口部の補強が必要になる場合があります。

3.断熱層・気密層の処理

最上階の天井に点検口を開ける場合には、その天井が断熱層や気密層になっていないかが重要です。もし、気密層であって、どうしてもそこに点検口が必要な場合には、切断する気密層の後処理をしっかり行う必要があります。

「天井裏に配線を通したい」

と今回ご依頼いただきました事例をご紹介します。コンクリート造のマンションの共用部です。

まずは、天井点検口をつけられる位置を決めるために、天井を吊っている下地の位置を確認します。

ボッシュ社製の検知器です。下地の位置の他、鉄筋の位置や電気配線の位置なども測れるすぐれものです。

下地センサー

LGSの下地がある位置で赤い光に色が変わります。これは、機種によっていろいろです。

下地センサー反応

どれかは切らないと開口が開けられない事がわかりますが、交差部(吊元)を避けるように位置決めをします。

切り取られた天井部は、あとで点検口の蓋として使います。しかし、天井材は薄いので、切り取るときに破損してしまう恐れがるので、念のため新しい天井蓋の準備も必要です。

切り取られた天井

切り取られた天井の穴から天井裏を見るとこの様に下地が組まれていたことが分かります。

天井裏の様子

点検口の枠の方を先に取り付けます。

点検口の蓋を取り付けて、開口廻りを整えたら完成です。

天井点検口

いかがでしたでしょうか。ポイントは、開口を開ける位置を決めることと、完成したときに違和感がないように切り取った天井をうまく取り付けられたかどうかですね。

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