建設キャリアアップシステムは、やったほうがいいの?
(建設業者向け記事です)
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建設キャリアアップシステムとは
国土交通省が定め、今年から始まります建設キャリアアップシステム。建設現場(土木の現場も含む)で働く技能者(大工さんなど)ひとりひとりの就業実績や所有する資格を登録し、技能者の能力を客観的に評価できるようにするシステムです。それによって、建設現場で働く技能者のモチベーションアップにつなげたいという思いがあります。
ICカードにより就業履歴の蓄積
システムに登録された技能者には、一人ひとりにICカードが発行されます。毎日、現場に行ったらそのICカードをカードリーダーに通して、その日現場で働いた実績を登録し積み上げていきます。それによって、その技能者が何日間、あるいは何年間その仕事で実績を積んだのかが分かるようになります。また、取得した資格も登録することができます。それらが、その技能者の評価となり、日当単価アップなどにつながります。キャリアアップしていくとICカードの色が変わり、キャリアや資格に応じて4段階の色分けとなります。
事業者にとってのメリットは
技能者が、どの現場にどれだけ従事したかがわかり、就労管理の把握につながります。また、現場の入場管理などの効率化につながるかもしれません。それから、その事業者にどれくらいのキャリアがある技能者が何人所属しているのかが客観的に分かるようになります。
やらなければいけないの?
いまのところ、強制ではありません。しかし国土交通省としては、全国の全事業者の参加を促したいと考えているようです。そうなると、かなりのビッグデータが集まり、多額の調査費をかけなくても建設業界の実態がつかみやすいという国のメリットは大きいでしょう。
デメリットは?
事業者にとってのデメリットとしては、自社が育ててきた技能者のデータが何らかのカタチで外部に知れることによって引き抜かれたりする恐れがないかという不安があります。よって、システム自体は、外部からは見られないように設定できることも検討されているようです。
以上、今年の秋頃から運用開始されます。どのように現場が変わるか楽しみですね。