被災時に避難所で起きることとその対策

東京建築士会江戸川支部総会

毎年行う東京建築士会江戸川支部総会。今年で9回目の総会となりました。

今年の会場は、一之江にある大和工務店さんで行いました。

大和工務店にて

消防のプロが語る避難所の実際

2018年は、日本全国で地震や洪水などの自然災害が多く発生した年でもありました。東京都江戸川区は、首都圏直下型地震や洪水被害の恐れのあるエリアです。 いつそのような災害が訪れるか誰もわかりません。

江戸川区ハザードマップ

ですから、今回の建築士向け勉強会では、実際に災害が起きたときにどのようなことが起きるのか。何を備えておけばよいのか。そのような話を消防署の方をお招きしてお話しいただきました。

被災が起きて避難所生活をすると、3日くらいは慣れない生活を我慢できたとしても4日目くらいになるとだんだんそこにいる人達の間で争いが起きてくるそうです。

1週間くらい経つと、権利を求めるようになってくるそうです。例えば、食料や水など足りなくたってくると「自分のほうがつらい思いをしている」だとか「おにぎり一個じゃ足りない」と主張するようになるそうです。そうすると、声の大きい人や腕力の強い人が、その避難所を牛耳ろうとします。

また、普段の生活の中で「あの人は町内会に入っていないから」などと差別的なことも起きてくるそうです。

避難所生活のそうしたことをなくすためには、みんなで冷静に譲り合う精神が必要になります。

今のうちに備えておくこと

被災時に自分の家族や大切な人の安否確認を耐えられるのは24時間が限界であるそうです。そこで、電話が繋がらなくなったときには『災害伝言ダイヤル』を利用して、お互いの無事を確認するようにしてください。

普段、通勤などに使うカバンは、リュックタイプのように両腕を通すと両手がフリーになる物が良いそうです。いざというときには、カバンを背負いながら、子どもを抱えるなど人を助けることもできるかもしれません。

避難時に持ち出す『避難袋』のなかに入れておくと良いもの。ひとつは三角巾。100円ショップでも手に入れることができ、袋のスペースもほとんど取りません。傷口の保護や止血、腕を吊るときなど色々な使い方ができます。

あと、食品用のラップフィルム。食料をくるんだり、手袋がないときに手袋の代わりにしたり、汚物をくるんでおけば、臭いもしなくなるすぐれもので、いろいろなことに使えそうです。20cmくらいの幅でも良いと思います。

常備薬はできれば10日間分くらい。薬が切れると避難所への薬の供給は困難なようです。例えば高血圧の薬など、体調に影響を与えるような薬は、多めに備えておくと良いそうです。

携帯の手動充電器。回すやつです。ラジオについている手動充電器などもあります。全く電気が供給されないときに備えて、手動で発電できる物があると無いよりは助かるはずです。

江戸川区の避難所は

江戸川区の避難所は、区内にある約100校の小中学校の体育館です。また、区内に多く点在する公園にも非常用のかまどや非常用トイレ、非常用水道ポンプなどが備えられています。

区内の体育館が、校舎の3階以上の高さにあるのは、洪水による避難を想定しているからです。江戸川区では、洪水時には3階以上の高さに避難することが推奨されています。

そこでの安全が確保できるように江戸川区の建築士は、毎年避難所開設の訓練を行っています。

フォローしてね!